婦人について 米国における日本婦人の労働 その4 ************************************************** ************************************************** **************************************************

それに主人の家の立派な部屋に住んで、

立派な生活をしてゆくことが出来る。

先生と言われたいばかりに、20圓内外な薄給に満足して、

ご飯と漬物というみじめな生活をする必要があろうか。

というような調子で今の境遇に甘んじているのである。

次は、腰元(レディースメイド)だが、

これは、まれにしかない。

なぜなら、これは英語の教養を要するから、

日本の婦人には少し難しい。

仕事は、仕えている婦人の身の回りの世話をするので、

髪結と爪磨きが出来なければならないようである。

月給は340弗から良い所なると780弗は取れる。

この仕事には、日本婦人の中の高等の教育を受けた者も

少しいる。

以上、普通日本婦人の仕事と得る収入である。

収入は相当あり、家庭の保護もあるから

最も安全な職業である。

その他、家庭以外の職業に従事している人も少数いる。

前に書いた事がありますが、

婦人ホームに通い仕事をしている二人の婦人がいた。

一人はネクタイを造る工場に働いており、

朝6時~夜6時まで働いて、日給は2弗である。

この収入から自分の生活費、

日本にいる母親に仕送りをしている。

裁縫の仕事をしている人もいた。

しかし、西洋人を相手にするほどの技量はないとの事。

だから、日本人を相手に仕事をしているが、

収入は十分あるとの事だった。

以上は、労働者であるが、商いを営んでいる婦人がいる。