余談に渡りましたが、、
私もそのうち一般の事情も、
分かってくるようになってから、
段々舞踏なるものも宣教師から聞いたり、
想像したりしていたほど、恐るべきものでないことが、
分かってきましたので、
折々友人に誘われてこの舞踏会に出るようになりました。
しかし、ただ、出ただけでは、なかなか踊れません。
そして、
ソーシャル・ダンスをしないと困る事が出来ますので、
ついに、これをならう事にしましたが、
これを教わるには一夜五圓くらいの謝礼がいるのです。
一週に一度ずつの伝習で、その復習は学校の寄宿舎なのです。
これは、半年もやれば覚えられます。
すると、私はある日、市中の一舞踏会に誘われいました。
その舞踏会は、仏国の領事が主催で、
その招待状がある人のもとへ来たのであります。
舞踏会の招待は、
大概、切符一枚と
誰でも知った人を、一人連れて来い。
とう事が記してあって、
主に、婦人は男の人を連れて行く事になっています。
私も、その招待を受けた男の方に、
連れられて行く事になり、
この舞踏会に参ったのであります。