あの日、ハワードがブルックリンからわざわざ来たのです。
そして、いつものように話していたが、
11時になっても12時なっても容易に帰らないのよ。
私は、少し、眠気がさしてきて、
早く帰ってください。
と、言いたいと思った。
すると、もじもじしながら、いかにも言いにくそうに
結婚してくれ。
と、言い出しました。
私は、
今まで満1年も交際してるし、随分良く相手をしている。
とは思ったけれども、
まだ、一生を定める程にはなっていない。
と、思ったから、可哀想だったけれども
私は、まだそんな大事を定める程
あなたを十分に知りません。
だから、今少し、知る機会を与えてくださいまし。
って、答えました。
それから数日後、
小包の様な大きな手紙が舞い込んできました。
その中には、ハワードの親戚・朋友からの
当人の人となりを紹介した手紙や
事務的手腕・才能などを証明した推薦状等でした。
読んでみると感心する事ばかりなんです。
それでいよいよ決心して
イエス
と、答えたんです。
結婚後の今、私の判断が間違いはない事を知りました。
と、話してくれた。それは、
まるで結婚の約束が商業の取引のようだ
とつくづく思った。