米国の主婦は、真の意味において家庭の女王で、
出納・家の建築・間取り・装飾・一切主婦の考えで、
夫は家の事には、ちっともくちばしを入れぬのが通例である。
時々、
今度、私の書斎の壁の色は、
濃い緑色としてもらいたいがどうだろう。
などと、奥様に頭を下げて、相談している旦那様がいる。
世界を漫遊する人が紐育で、驚くのは、
道行く婦人が非常に良い身なりをしている事である。
ちょっと考えると
米国はお金が有り余っているから。
と、思われるが、彼女達は、
いかに苦心して流行に遅れないように
常に新しい衣服を買う余裕を作るかは、
家庭に入ってあれだけの日常の経済法を
見なければわからない。
主人の収入の何割を生活費として受け取り、
その範囲内で最もよい生活をする事に努める。
下女の月給は15弗(ドル)~50弗位だから、
主人の収入が月に200弗位の所は、
下女等使わず
自ら家の掃除、料理等の家事をすべて行うのが常である。