ベニヤミンの地、アナトテにいた祭司の一人、ヒルキヤの子エレミヤの言葉。
このエレミヤに主の言葉があった。
ユダの王・アモンの子・ヨシヤの時代、その治世の第13年の事である。
それは更に、ユダの王・ヨシヤの子エホヤキムの時代にもあった。
ユダの王・ヨシアの子ゼデキヤの第11年の終わりまで、
すなわち、その年の第5の月、エルサレムの民の捕囚まで続いた。

主の仰せ

エレミヤよ。

陶器師の家に向かえ。

そこで、あなたに私の言葉を聴かせる。

私が陶器師の家に着いた。

すると、見よ。

彼はろくろで仕事をしているところだった。

陶器師が粘土で製作中の器は、彼の手で壊された。

が、それは再び、陶器師自身の気に入る他の器に作り変えられた。

主の仰せ

エレミヤよ、イスラエルの家よ。

私がこの陶器師のように、

あなた方にする事は出来ないだろうか。

―――主の言葉―――

見よ、イスラエルの家よ。

あなた方は私の手の中にある。

粘土が陶器師の手の中にあるように。

私は、一つの国、一つの王国について、

引き抜き、打倒し、滅ぼす。

と、言った。

その時、私が禍を予告した民が立ち返るなら、

私は下そうと思っていた禍を思い直す。

私は、

一つの国、一つの王国について、立て直し植える。

と、言った。

その時、

私の声に聴き従わない。

私の目に悪である事を行う。

ならば、私は与えると約束した幸せを思い直す。

さぁ、今ユダの人とエルサレムの住民に言え。

主はこう言われる。

見よ。

私はあなた方に対して禍を考え出し、策をめぐらしている。

それぞれ悪の道から立ち返り、

あなた方の生き方と行いを改めよ。

ユダの人とエルサレムの住民

いや、私達は自分の計画に従って歩む。

それぞれ頑なで悪い心のままに行います。

主の仰せ

国々の中で尋ねてみよ。

誰がこんな事を聞いた事があるだろうか。

乙女イスラエルは、実におぞましい事を行った。

レバノンの雪は、野の岩から消え去るだろうか。

他の国から投げられて来る冷たい水は、枯れる事があるだろうか。

それなのに、私の民は私を忘れる。

空しいものに犠牲を供える。

それらは、私の民をその道、いにしえの道で躓かせる。

小道に、まだ整えられていない道に行かせる。

彼らの地を恐怖のものとする。

永久に嘲りの的とする。

そこを通り過ぎる者は皆、呆気にとられて頭を振る。

東風のように、私は彼らを敵の前で散らす。

彼らの災難の日に、私は彼らに背を向け、顔を向けない。

ユダとエルサレムの住民

私達は策をめぐらしてエレミヤを倒そう。

何故なら、

祭司から律法が、

知恵のある者から助言が、

預言者から言葉が、

滅び失せる事はないはずだから。

舌で彼を打とうではないか。

彼の総ての言葉に、耳を傾ける事がないようにするために。

エレミヤ

主よ。

私に耳を傾けてください。

私と争う者の声を聴いてください。

善に悪をもって報いてよいでしょうか。

まことに彼らは、私の命を取ろうとして穴を掘りました。

私は御前に立ちました。

そして、彼らについて良い事を語った事を思い出してください。

彼らへのあなたの憤りを、やめていただく為に。

それ故、彼らの子達を飢饉に渡し、彼らを剣で殺してください。

妻達は子を失い、やもめになりますように。

夫達は虐殺されて死にますように。

若い男性達は、戦いで剣に殺されますように。

突然、あなたが略奪隊に、彼らを襲わせる。

その時、彼らの家から悲鳴が聞こえます。

彼らは私を捕らえようとして穴を掘り、

私の足元に罠を設けたからです。

主よ。

あなたは総てご存じです。

私を殺そうとする彼らの謀り事を。

どうか彼らの咎を赦さないでください。

彼らの罪を御前から拭い去らないでください。

彼らを御前で打倒し、御怒りの時に彼らを報いてください。

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