ブズ人・バラクエルの子・エリフ
そこでヨブ、
どうか私の言い分を聞いてほしい。
私の全ての言葉に、耳を傾けてほしい。
さぁ、私は口を開き、私の口の中の舌が語る。
私の言う事は、直ぐな心から出る。
私の唇は、率直に知識を語る。
神の霊が私を造り、
全能者の息が私に命を下さる。
あなたにできるのであれば、私に返事をし、
言葉を並べ立てて、私の前に立ってみよ。
実に、神にとって、私はあなたと同じだ。
私もまた粘土で形造られた。
見よ、私の脅しも、あなたを脅えさせない。
あなたに、
私の力がのしかかっても、重くはない。
確かにあなたは、この耳に言った。
私は、
聖く、背きがない。
純潔であり、咎もない。
それなのに、神は私を攻める口実を見つけ、
私を神の敵のように見なされる。
神は、私の足にかせをはめ、
私の歩みをことごとく見張られる。
と、あなたの話す声を聴いた。
聞け、私はあなたに答える。
この事であなたは正しくない。
神は人よりも偉大なのだから。
何故、あなたは神と言い争うのか。
自分の言葉に、
神が一つ一つ答えて下さらない。
と、という理由で神と言い争うのか。
神は、ある方法で語り、
また、他の方法で語られるが、
人はそれに気づかない。
夢の中で、夜の幻の中で、
深い眠りが、人々を襲う時、
また、寝床の上でまどろむ時、
その時、神はその人達の耳を開き、
彼等を懲らしめて、それを封印される。
神は、
人間がその悪い技を取り除くようにし、
人から高ぶりを離れさせ、
人の魂が滅びの穴に入らず、
その命が投げやりで
滅びないようにされる。
神は、床の上で痛みをもって人を責める。
いつまでも続く骨の病によって
お叱りになる。
彼の命は食物を嫌い、
その魂はうまい物を嫌う。
その肉は衰え果てて見えなくなり、
見えなかった骨があらわになる。
その魂は滅びの穴に、
その命は殺す者達に近づく。
もし、彼のそばに、一人の御遣いが、
千人に一人の仲介者がいる。
その方が彼に代わって、
彼が誠実である事を告げてくれるならば、
神は、
彼を救い、
滅びの穴に下って行かせないようにせよ。
私は身代金を見出した。
と、彼を憐れみ仰せられる。
その肉は幼子のように新しくされて、
彼は、青年の頃に戻る。
彼は、神に祈ると受け入れられる。
彼は、歓喜の声を追って御顔を仰ぎ、
彼はその人の義に報いて下さる。
彼は、人々を見つめて、
私は罪ある者で、
まっすぐな事を曲げて来た。
しかし、私は当然の報いを受けなかった。
神は、私が滅びの穴に下らないように、
私の魂を贖い出してくださった。
私の命は、
光を、見る事ができる。
と、言う。
見よ、この全ての事を神は行われる。
二度も三度も、人に対して。
人の魂を滅びの穴から引き戻し、
命の光で照らされる。
ヨブよ、耳を傾けて私に聞け。
黙れ。この私が語る。
もし、言葉があるなら、私に返事をせよ。
言え。あなたが正しければ、私は喜ぶから。
もし、言葉がないなら、私に聞け。
黙れ。私は、あなたに知恵を教えよう。