ヨブ
見よ。
私の目はこれら全ての事を見た。
私の耳も聞いて、それを理解している。
あなた方が知っている事は私もよく知っている。
私は、あなた方より劣ってはいない。
けれども、この私は全能なる方に語りかけ、
神と論じある事を願う。
しかし、
あなた方は偽りを塗る者、みな無用の医者だ。
あぁ、あなた方が沈黙を守っていたなら、
それがあなたの知恵となっていただろうに。
さぁ、私の論じる事を聞き、私の訴えに耳を傾けよ。
あなた方は、
神の為に。
と、言って不正を語り、
神の為に。
と、言って欺く事を語るのか。
神の為に。
と、言い争うつもりか。
あなた方は、神の顔を立てるつもりか。
神があなた方を調べても、かまわないのか。
人を欺くように、神を欺こうとするのか。
神は必ずあなた方を責める。
密かに、自分の顔を立てようとするなら、
神の威厳があなた方を脅えさせ、
神の恐れがあなた方に下るのではないか。
あなた方の申し立ては、灰の言葉。
あなた方の弁明は、粘土の盾だ。
黙れ、私に関わるな。この私が話す。
私に何が降りかかっても構わない。
何の為に、私は自分の肉を歯にのせ、
自分の魂を掌に置くのか。
見よ。神が私を殺しても、私は神を待ち望む、
なおも私の道を神の御前に主張しよう。
神もまた、私の救いとなって下さる。
神を敬わない者は、御前に出る事は出来ない。
あなた方は、私の言葉をよく聞け。
私の述べる事を自分の耳で。
今、私は自分の言い分を並べる。
自分が義とされる事を私は知っている。
誰が私と論争する者がいるだろうか。
もしいるなら、いますぐ私は黙って息絶えよう。
ただ二つの事を、私になさらないで下さい。
そうすれば、私は御顔から身を隠しません。
あなたの手を私の上から遠ざけて下さい。
あなたの恐ろしさで、脅えさせないで下さい。
呼んで下さい。
私が答えます。
あるいは、私に語らせ、あなたが答えて下さい。
私には、咎と罪がどれほどあるのでしょうか。
私の背きと罪を私に知らせて下さい。
何故、あなたは御顔を隠すのですか。
私を、あなたの敵とみなされるのですか。
あなたは吹き散らされた木の葉を脅し、
渇いた藁を、追いかけられるのですか。
あなたは私に対し厳しい宣告を書き立て、
私の若い時の咎を負い続けさせます。
あなたは私の足にかせをはめ、
私が歩む道をことごとく見張ります。
私の足の裏にしるしを刻まれます。
そのような者は腐った物のように朽ちます。
シミが食べた衣服のように。
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