アブラムの妻サライは、彼の子供を産まなかった。
彼女にはエジプト人の女性の奴隷、ハガルがいた。
サライ
アブラハム、
ご存知のように、主は、
私が子供を産まないようにしておられます。
どうぞ、私の女性の奴隷の所にお入りください。
たぶん、彼女によって、
私は子供の母になれるでしょう。
アブラムはサライのいう事を聞き入れた。
アブラムの妻サライは、
アブラムがカナンの土地に住んでから十年後に、
奴隷のエジプト人ハガルを、
夫アブラムに妻として与えた。
彼はハガルの所に入った。
そして、ハガルは身ごもった。
彼女は自分が身ごもったことが分かり、
主人のサライを見下げるようになった。
サライ
ハガルは、私に横柄な態度です。
それは、あなたのせいです。
私が、彼女を、アブラムの懐に与えたのですが、
彼女は、自分が身ごもっているので、
私を見下げるようになりました。
主が、私とあなたの間をお裁きになりました。
アブラム
あなたの女性の奴隷は、あなたの手の中にある。
ハガルをあなたの好きなようにしなさい。
それで、サライがハガルをいじめた。
だから、ハガルはサライのもとから逃げ去った。
主の遣いは、荒野の泉のほとり、
シュルへの道にある泉のほとりで、
ハガルを見つけた。
主の遣い
サライに仕えるハガル。
あなたはどこから来て、どこへ行くのか。
ハガル
私は、
主人のサライから逃げているところです。
主の遣い
ハガル、
あなたの女性の主人のもとに帰りなさい。
そして、彼女のもとで身を低くしなさい。
あなたの子孫を、私が大いに増やすので、
数えきれないほどになる。
見よ。あなたは身ごもっている。
男の子を産もうとしている。
その子をイシュマエルと名付けなさい。
主が、あなたの苦しみを聞き入れたから。
彼は野生のロバのような人となり、
その手は、全ての人に逆らい、
全ての人の手も、彼に逆らう。
彼は全ての兄弟に対して住もう。
<カデシュとベレデの間に、
ベエル・ラハイ・ロイという井戸がある。
ハガルが、
私に語りかけられた主、エル・ロイ
ご覧になる方の後ろを私がみて、
なおもここにいるとは
と、つぶやいたことがその名の由来となった。
ハガルは男の子を産んだ。
その父であるアブラムは、
イシュマエルと名付けた。
アブラムが86歳の時であった。