ユダの王、ヨシャパテの第18年に、
アハブの子ヨラムが、サマリヤで、
イスラエルの王となり、12年間治めた。
彼は、主の目の前に悪を行ったが、
両親ほどではなかった。
彼は、父が造ったバアルの石の柱を取り除いた。
しかし、ダビデのように神の声を聞かず、
自分の考えで国を治めた。
それは、ネバテの子ヤロブアムと同じ罪である。
モアブの王メシャは羊を飼っていた。
そして、子羊10万頭と、雄羊10万頭分の羊毛を
イスラエルの王に貢物として、納めていた。
しかし、アハブが亡くなると、
モアブの王はイスラエルの王に背いた。
そこで、ヨラム王は、すぐにサマリヤを出発し、
全てのイスラエル人を動員した。
そして、ユダの王ヨシャパテに人を遣わせた。
ヨシャパテの遣い
モアブの王が私に背きました。
私と一緒に、モアブと戦いませんか。
ユダの王
戦いましょう。
私とあなたとは一心同体、
私の民とあなたの民も一心同体、
私の馬とあなたの馬も一心同体。
ヨシャパテの遣い
私達はどの道から行きましょうか。
ヨラム
エドムの荒野の道からまいります。
こうして、イスラエルの王は、
ユダの王とエドムの王と一緒に出掛けた。
しかし、遠回りをした為、水が無くなった。
イスラエルの王
主がこの三人の王を召されたのは、
モアブの手に渡すためであった。
ヨシャパテ
ここには、
主の御心を求める事ができる預言者は、
いないのですか。
イスラエルの王の家来
シャハテの子エリシャがいます。
エリヤの手に水を注いだ者です。
ヨシャパテ
主の言葉は彼とともにある。
イスラエルの王・ヨシャパテ・エドムの王は、
エリシャを訪ねた。
エリシャ
私は、あなたと何の関わりがありましょうか。
あなたの父上の預言者達と、
あなたの母上の預言者達の所にお出で下さい。
イスラエルの王
主が、この三人の王を召されたのは、
モアブの手に渡すためですか。
エリシャ
私が仕えている万軍の主は生きておられる。
もし、あなたが、ユダの王ヨシャパテの為に
行うのでなかったなら、
私は、あなたを目に留める事もせず、
あなたに会う事もしなかったでしょう。
楽人を私の所に連れて来なさい。
楽人が竪琴を弾き鳴らすと、
主の手がエリシャの上に下った。
エリシャ
主はこう仰せられる。
この谷に溝を掘れ。溝を掘れ。
風もなく、大雨もないのに、
この谷には水があふれる。
あなた方もあなた方の家畜もこれを飲む。
これは主の目には小さな事だ。
主はモアブをあなた方の手に渡される。
あなた方は、城壁のある街々・立派な街々を
ことごとく打ち破り、
全ての良い樹を切り倒し、
全ての水の源をふさぎ、
全ての良い畑を石ころで台無しにしよう。
朝になって、捧げ物を捧げる頃、
水がエドムの方から流れて来た。
この地は、水で満たされた。
モアブの人達は、
イスラエルの王・ヨシャパテ・エドムの王が
攻めてきたことを聞いた。
鎧を着る事のできるの者は全員、
呼び集められて、国境の守備に就いた。
翌朝早く起きてみると、
太陽が、水面を照らしていた。
モアブの人達は、
向こう側の水が血のように赤く見えた。
モアブの守備に就いた人々
これは血だ。
きっと王達が切りあって、
同志討ちをしたに違いない。
さぁ、モアブの人達よ。
今、戦いに行こう。
彼らがイスラエルの陣営に向かった。
しかし、イスラエル人は待ち伏せていた。
そして、攻めてきたモアブを攻撃した。
モアブはイスラエルの前から逃げた。
イスラエルは攻め、モアブを倒した。
さらに、彼らは街々を破壊し、
全ての良い畑に
石を投げ入れて石だらけにし、
全ての水の源を塞ぎ、全ての良い樹を切り倒した。
ただ、キル・ハレセテにある石だけが残った。
しかし、そこも、石を投げる者達が取り囲み、
これを打ち破った。
モアブの王は、
戦いが不利になっていくのがわかった。
そして、剣を使う者700人を引き連れ、
エドムの王の所に、
攻めようとしたが、できなかった。
そこで、彼は自分に代わって王となる長男を
その子を城壁の上で全焼の生贄を捧げた。
このため、
イスラエル人に対する大きな怒りが起こった。
それで、イスラエル人は、
そこから引き上げて帰国した。
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