その夜、クセルクセス王は眠れなかった。
なので、記録の書・年代記を、持って来るように命じた。
そして、それは王の前で読まれた。
その中に、
モルデガイが
入り口の守衛・王の二人の宦官・
ビグタナとテレシュが、
アハシュエロス王を殺そうとしている事
を、報告した。
と、書かれているのを見つけた。
クセルクセス王
この事で栄誉とか昇進とか
何かモルデカイに与えたか。
王に仕える侍従達
彼には何も与えていません。
クセルクセス王
庭に誰かいるのか。
丁度、ハマンが、
モルデカイの為に準備した柱に
彼をかける事を、王に上奏しよう。
と、王宮の外庭に入ってきたところであった。
王に仕える侍従達
庭のあそこにはハマンがいます。
クセルクセス王
ここに通せ。
ハマンが入ってきた。
クセルクセス王
私が栄誉を与えたいと思う者に、
どうすればよいだろうか。
ハマン
(王が栄誉を与えたいと思う人物は、
私以外に誰がいるだろう。)
ハマン
王が栄誉を与えたいと思われる人の為には、
王が着ておられた王服を持って来て、
王の乗っておられた馬の頭に
王冠をつけて引いてくるようにして下さい。
その王服と馬を、
貴族である王の首長の一人の手に渡し、
王が栄誉を与えたいと思われる人に、
王服を着せ、
その人を馬に乗せて、
都の広場に導き、その前で
この通りである。
クセルクセス王
ハマン、
あなたが言った通りに、
すぐ王服と馬を取って来て、
王の門の所に座っている
ユダヤ人モルデカイに
そのようにしなさい。
あなたの言った事を、
一つも怠ってはならない。
ハマンは王服と馬を取って来た。
モルデカイに服を着せ、
彼を馬に乗せて都の広場に導いた。
ハマン
(大声で)
王が栄誉を与えたいと思われる人は、
この人である。
それからモルデカイは王の門に戻った。
が、ハマンは嘆き悲しんで頭を覆い、
急いで家に帰った。
ハマンは自分の身に起こった事の一部始終を、
妻ゼレシュと彼の全ての友人達に話した。
知恵ある者達と妻ゼレシュ
あなたはモルデカイに敗れかけています。
が、このモルデカイが、
ユダヤ民族の一人であるなら、
あなたはもう彼に勝つことはできません。
必ず、あなたは敗れるでしょう。
彼らがまだハマンと話しているうちに、
王の宦官達がやって来た。
ハマンを急がせて、
エステルの催した宴会に連れていかれた。
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