エステル記 第5章

クセルクセスの時代、クセルクセスが、
インドからクシュまで127州を治め、
クセルクセス王がスサの城で王座に就いていた。

三日が過ぎ去った。

エステルは王妃の衣装を着て、

王室の正面にある王宮の奥の中庭に立った。

クセスクセル王は、王宮の玉座に座っていた。

その王座は王室の入口の正面にあった。

王が中庭に立っている王妃エステルを見た。

その時、彼女は王の好意を得た。

王は手にしている金のひしゃくを、

エステルに差し伸べた。

エステルは近寄って、

そのひしゃくの先に触れた。

クセルクセス王

どうしたのだ。王妃エステル。

何を望んでいるのか。

王国の半分でもあなたにやれるのだが。

エステル

今日、私が王様の為に設ける宴会に、

ハマンとご一緒にお越しください。

クセルクセス王

ハマンを急いでこさせなさい。

エステルの望みを聞き入れよう。

王とハマンはエステルの設けた宴会を訪ねた。

クセルクセス王

エステルよ。あなたは何を願っているのか。

それを授けてやろう。

何を望んでいるのか。

王国の半分でもそれをかなえてやろう。

エステル

私が願い望んでいる事は、

もしも、私が王様のご好意を受ける事ができ、

また、王様が私の願いを許し、

私の望みをかなえていただけますなら、

私が設ける宴会にもう一度ハマンと一緒に

お越しください。

そうすれば、

明日、私は、

王様のおっしゃった通りにいたします。

ハマンはその日、喜び上機嫌で去って行った。

ところがハマンは、

王の門の所にいるモルデカイが

立ち上がろうともせず、

身動きもしないのを見た。

そして、彼に対する憤りがこみ上げてきた。

しかし、ハマンは我慢して家に帰宅した。

そして、家臣に、

友人達と妻ゼルシュを連れて来る事

を、命じた。

ハマンは、

自分の輝かしい富について、

また子供が大勢いる事や

クセルクセス王が自分を重んじ、

クセルクセス王の首長や家臣達の上に、

自分を昇進させてくれた事

などを、全て彼らに話した。

ハマン

王妃エステルは、王妃が設けた宴会に、

私の他は誰も王と一緒に来させなかった。

明日も私は、王と一緒に王妃に招かれている。

しかし、私が、

王の門の所に座っている

あのユダヤ人モルデカイを

見なければならない間は、

これら一切の事も

私には何の役にも立たない。

彼の妻ゼレシュと彼の友人達

高さ50キュビットの柱を立てさせなさい。

明日の朝、王にモルデカイを、

その柱にかけるように申し出なさい。

それから、王と一緒にその宴会に

喜んでお出かけなさい。

ハマンはこの進言が気に入った。

なのでその柱を立てさせた。