婦人について 米国における日本婦人の労働 その1 ************************************************** ************************************************** **************************************************

人口350万人という米国の大都紐育市に、

3000人ばかりのわが同胞がいる。

その中の婦人から、

多数の銀行・会社員の婦人連と

ごく少数の女学生を除くと、

独立独歩の生活を営んでいる婦人達である。

日々、潮の寄せるように入ってくる欧州の移住民が、

職を得る苦しみ、飢えに泣いている。

この大都市で、

人種的偏見の最も盛んな時代に、

黄色人種の我々の姉妹が、

どのようして自活しているかを知る事は、

興味多い事である。

もし、自活の道がたくさんあって、

安定した生涯ならば、

生活難に痛められている我が中流以下の娘さん達は、

どしどし渡米して発展の道を講じたらよいであろう。

と、こんな考えから私は、

紐育で自活している同胞婦人が、

どんな道筋を経て、今に至ったかを調べてみた。

紐育には、日本人の下宿屋があり、婦人にも宿を与えている。

しかし、男女混合であり、家庭的趣味が欠けている。

これらの欠点を補うために、あるキリスト教団体が、

日本婦人ホームなるものを34年前に組織した

婦人ホームは、上町のある建物の6階にあり、

12から13人位は収容できるようになっている。

部屋代は、

一週間二ドル(四圓)で、ガス・水道全ての便がある。

ここは、日本人のキリスト教の牧師が監督している。

入ってくる人は様々である。

学生・労働者の細君・自ら労働している婦人もいる。