台所に隣接しているもう一つの部屋は洗濯室です。

此処には外側が木で、内側が金属でできてる大きな洗濯機が、

三つ四つ備えられております。

そして、洗う道具、搾る道具等が揃っております。

シーツやピローケース・テーブルクロース等

一週間に1~2度は変えます。

衣類も一週間に一度、

宛下から上まで全て変えて洗濯に出します。

だから、洗濯器の揃っている事は非常に大事です。

洗濯した物は、必ず丁寧に火熨斗をかけます。

そして、タオルの如きものでも、洗い放しにしません。

ですから、火熨斗の道具も完全に揃っております。

台所または洗濯室の端に、地下室に導く階段があります。

地下室は地の中に掘り込んで作った所です。

だから、上の方よりも暗い事は当たり前です。

それでも、数個の小窓を通して、

多くの光線を得る事が出来ます。

家によっては、台所・食料品入れ所、洗濯所等

すべて地下室あります。

地下は冷たいので、食物を貯えるには最適です。

ですから、ほとんどの家の地下には、

食物を貯える部屋があります。

そして、暖室器は必ず地下室にあります。

此処では、火を焚いて暖かい空気を、管を通して各室に送ります。

或いは湯を作って蒸気暖房を致します。

彼方では、台所・洗面所等どこでも必要な所には栓があります。

そして、いつでも熱湯が出る様になっております。

これも地下室に備わっている汽缶で作ります。

石炭やその他の焚き物の多くは地下室に蓄えられております。

地下室は、これ位にして、今度は二階に行ってみましょう。

階段を登ると細い廊下に出ます。

廊下に沿うて、両側にベッドルームがあります。

先ず最も陽当たりのよい所に主人夫婦の寝室があります。

それに続いた居間には安楽椅子・長椅子・低い椅子等があります。

静かに一日の労をいたわる様になっております。

その近くに子供たちの部屋があります。

大抵一人一室ずつの割合になっております。

客の為にも二つ三つの寝室がとってあります。

また、女中の部屋もここにあります。

洗面所は必ず二階にあります。

三階建ての場合、三階にもあります。

その他、寝室に附属して小さい洗面所があります。

要するに、遠く行かずに手近で、

何でも用の足りる様になっております。

一般に階上は私の場所、階下は公の場所というようです。

つまり、二階では寝たり、衣服を着替えたり、休んだり、

上着を着ずに歩いたり致します。

ですが、朝ごはんに階下へ降りる時は、

服を改め、髪を結んで行きます。