さて、少年サムエルはエリのもとで主に仕えていた。
その頃、主の言葉はまれにしかなかった。
また、幻も示されなかった。
その日、祭司エリは自分の所で寝ていた。
彼の目は霞んできて、見えなくなっていた。
神の灯火が消される前であった。
サムエルは、神の箱が置かれている主の神殿で寝ていた。
主の仰せ
サムエルよ。
サムエル
はい、ここにおります。
サムエルは祭司エリの所に走っていった。
サムエル
祭司様、ここにおります。
お呼びになりましたので。
祭司エリ
呼んでいない。
帰って、寝なさい。
サムエルは戻り寝た。
主はもう一度、サムエルを呼ばれた。
サムエルは起きて祭司エリのもとに行った。
祭司エリ
呼んでいない。
我が子よ。
帰って寝なさい。
サムエルは、まだ主を知らなかった。
まだ主の言葉は、彼に示されていなかった。
主は三度サムエルを呼ばれた。
彼は起きて、祭司エリのところに行った。
サムエル
はい、ここにおります。
お呼びになりましたので。
エリは、
主が少年を呼んでおられる。ということを悟った。
エリ
行って、寝なさい。
主がお前を呼ばれたら、
主よ、お話ください。
しもべは聞いております。
と、言いなさい。
サムエルは戻り、自分の所で寝た。
主が来て、そばに立ち、これまでと同じようにサムエルを呼ばれた。
サムエル
お話ください。
しもべは聞いております
主の仰せ
見よ。
私は、イスラエルを一つにしようとしている。
誰でもそれを聞く者は、両耳が鳴く。
その日私は、エリの家について語った。
その事全てを、初めから終わりまでエリに実行する。
私は、
彼の家を永遠に裁く。
と、彼に告げる。
それは、息子達が、自ら呪いを招くような事を行っていた。
しかし、エリは、知っていながら思いとどまらせなかった。
その咎のためだ。
だから、私はエリの家について誓う。
エリの家の咎は、<永遠に許されることはない。
生贄によっても、穀物の捧げ物によってもだ。
Copyright ⒞ 2015 buta,All Rights Reserved.