アビガイル

私の若者達。

私の先を進みなさい。

あなた方について行くから。

たが、彼女は夫ナバルには何も告げなかった。

アビガイルが驢馬に乗り山陰を下った。

すると、ダビデとその部下が

ちょうど、彼女の方に向かっていた。

ダビデは、

荒野で、あの男性のもの総て守ってやった。

なので、その財産は何一つ失われなかった。

だが、それはまったく無駄だった。

あの男性は善に代えて悪を返した。

もし、私があの男性に属する者のうち

小童一人でも残しておく。

明日の朝までに。

ならば、神がこのダビデを、

幾重にも罰せられように。

と、言ったばかりであった。

アビガイルはダビデを見た。

すると、急いで驢馬から降りた。

そして、ダビデの前で顔を伏せた。

それから、地面にひれ伏した。

アビガエル

ご主人様、

あの責めは私にあります。

どうか、はしためが、

じかに申し上げる事をお許しください。

このはしための言葉をお聞きください。

ご主人様、どうか、あの邪な者、

ナバルの事など気に掛けないでください。

あの者は名の通りの男性ですから。

彼の名はナバルです。

その通りの愚かな者です。

はしための私は、会ってはおりません。

ご主人様がお遣わしになった若者達に。

ご主人様。

今、主は生きておられます。

あなたの魂も生きておられます。

主は、

あなたが血を流しに行かれる事

ご自分の手で復讐なさる事

を、止められました。

あなたの敵、ご主人様に対して

害を加えようとする者どもが、

ナバルのようになりますように。

今、はしためは、

ご主人様に贈り物を持って参りました。

この品々を、お与えください。

ご主人様に付き従う若者達に。

どうか、はしための背きをお許しください。

主は必ず、ご主人様の為に、

確かな家をお建てになるでしょう。

ご主人様は、

主の戦いを戦っておられるのですから。

あなたのうちには、一生の間、

悪が見出されてはなりません。

人があなたを追い、命を狙おうとします。

ですが、命の袋にしまわれています。

ご主人様の命はあなたの神・主により。

あなたの敵の命は、

投げつけられるでしょう。

主が石投げの窪みに入れて。

主が、ご主人様について約束なされました。

総ての良い事をあなたに成し遂げると。

あなたをイスラエルの君主に任じられます。

その時、

理由もなく血を流す事

ご主人様自身で復讐された事

が、躓きとなりませんように。

ご主人様の心の妨げとなりませんように。

主がご主人様を栄えさせてくださった。

その時は、

このはしためを思い出してください。