我が子よ私の言葉を守り
私の命令をあなたのうちに蓄えよ
私の命令を守って生きよ
私の教えをあなたの瞳のように守れ
それをあなたの指に結び
あなたの心の板に書き記せ
知恵に向かって
「あなたは私の姉妹だ」と言い
悟りを「身内の者」と呼べ
それはあなたを他人の妻から守り
言葉の滑らかな見知らぬ女から守るためだ
私が家の窓の
格子窓から見下ろして
わきまえのない者たちを見ていると
若者のうちに思慮に欠けた一人の若い者のいるのを認めた
彼は女の家への曲がり角に近い通りを過ぎ行き
女の家のほうに歩いて行った
それは黄昏の日の沈む頃
夜が更ける暗闇のころだった
すると遊女の装いをした
心の企みのある女が彼を迎えた
この女は騒がしくで御しにくく
その足は自分の家にとどまらず
ある時は通りにある時は市場にあり
あるいはあちこちの街角に立って、待ち伏せる
その女は彼を捕まえて口づけし
臆面もなく彼に言う
「和解の生贄を捧げて
今日私の請願を果たしました
それで私はあなたに会いに出てきたのです
あなたを探してやっとあなたを見つけました
私は長椅子に敷物を敷きあや織のエジプトの麻布を敷き
没薬・アロエ・肉桂で私の床を匂わせました
さあ私たちは朝になるまで
愛に酔いつぶれ愛撫しあって楽しみましょう
夫は家にはいません」
遠くへ旅に出ていますから
「満月になるまでは帰ってきません」と
女は口説き続けて彼を惑わし
へつらいの唇で彼を誘う