ところが、

この事はヨナを非常に不愉快にさせた。

ヨナは怒って、主に祈った。

 「ああ、主よ。

わたしがまだ国にいた時に、

この事を申し上げたではありませんか。

それで、

私は初めタルシシュへ逃れようとしたのです。

私は、あなたが情け深く憐れみ深い神であり、

怒るのに遅く、恵み豊かであり、

禍を思い直される事を知っていたからです。

主よ。

今、どうぞ私の命を取ってください。

私は生きているより死んだほうがましですから。」

主は仰せられた。

 「あなたは当然の事のように怒るのか。」

ヨナは町から出て、

町の東の方に座り、

そこに自分で仮小屋を作り、

町の中で何が起こるかを見極めようと、

その陰の下に座っていた。

神である主は、一本の「とうごま(瓢箪)」を備え、

それをヨナの上に覆うように生えさせ、

彼の頭の上の影として、

ヨナを不機嫌から救い出されようとされた。

ヨナはこの「とうごま(瓢箪)」を非常に喜んだ。

しかし、神は、翌日の夜明けに、

一匹の、虫を備えられた。

虫がその「とうごま(瓢箪)」を嚙んだので、

「とうごま(瓢箪)」は枯れた。

太陽が昇った時、

神は焼けつくような東風を備えられた。

太陽がヨナの頭に照り付けたので、

彼は衰え果て、

「私は生きているより死んだ方がましだ。」

と、自分の死を願った。

すると、神はヨナに仰せられた。

 「この「とうごま(瓢箪)」のために、

あなたは当然の事のように怒るのか。」

ヨナは答えた。

「私が死ぬほど怒るのは当然の事です。」

主は仰せられた。

 「自分で骨を折らず、育てもせず、

一夜で生え、

一夜で滅びたこの「とうごま(瓢箪)」を

惜しんでいる。

まして、

私はこの大きな町ニネベを

惜しまないでいられようか。

そこには、

右も左もわきまえない12万以上の人間と

数多くの家畜が、いるではないか。」