ナホム書 第2章

ニネベについての宣告    エルコシュ人ナホムの幻の記録

追い散らす者が、お前に向かって上って来る。

塁を見守り、道を見張れ。

腰を強くし、大いに力を奮い立たせよ。

主はヤコブの威光を、

まことに、荒らす者が彼らを荒らし、

彼等の葡萄の枝を損なう。

勇士の盾は赤く染まり、

兵士の緋色に包まれる。

戦車は、それが整えられる日、鋼の火を通され、

槍は振り回される。

戦車は通りを走り狂い、

広場を駆け巡る。

その有様はたいまつのようで、v

稲妻のように走る。

高貴な人は呼び出されるが、

途中でつまずき倒れる。

人々は街の城壁へ急ぐが、

そこに外から柵が設けられる。

幾つもの川の水門が開かれ、

宮殿は消え去る。

王妃は捕らえられ、連れ去られる。

女性の奴隷達は鳩のような声でつぶやき、

むねを叩いて悲しむ。

ニネベは、

水が流れ出る池のようだ。

水止まれ、止まれ

と、言っても、

向きを変える者はいない。

銀を奪え。金も奪え。

その財宝には限りがない。

あらゆる尊い品々があふれている。

不毛、空虚、そして荒廃。

心は萎え、膝は震える。

どの腰もわななき、

どの顔も青ざめる。

獅子の住みかはどこか。

若い獅子にとっての餌場は。

雄獅子と雌獅子が出歩く時に、

子獅子が誰にも脅かされない住みかは。

獅子は、充分な獲物を子獅子の為に引き裂き、

雌獅子の為にかみ殺し、

獲物のその穴を、

かみ裂かれた物でその巣を満たす。

見よ。私はお前を敵とする。

――万軍の主の言葉――<

おまえの戦車を燃やして煙にし、

若い獅子を剣が食い尽くす。

おまえの獲物を地から絶やし、

おまえの使者達の声はもう聞かれない。