幻の人

私は、ミカエルを強くする。

そして力づける。

その為に、

メディア人ダレイオスの元年に立ち上がった。

今、私はあなたに審理を告げる。

見よ、なお三人の王がペルシアに起こる。

そして、第四の者は、

他の誰よりもはるかに富む者となる。

この者が、その富により強力になった時、

全世界をとりわけギリシア王国を、

奮い立たせる。

一人の勇敢な王が起こる。

大きな権力を持ち、治め、

思いのままにふるまう。

しかし、彼が怒った時、その国は崩壊し、

天の四方に向けて分割される。

その国は、彼の子孫のものにはならない。

また、彼が支配したほどの権力もなくなる。

彼の国は、根こそぎにされる。

そして、その子孫以外の者の支配となる。

南の王が強くなる。

しかし、彼よりもその軍長の一人が強くなり、

彼の権力よりも大きな権力を持ち治める。

何年か経ち、彼らは同盟を結ぶ。

和睦の為に、南の王の娘が北の王に嫁ぐ。

しかし、彼女の勢力は保たれず、

彼の勢力も続かない。

彼女は、

自分を連れて来た者、自分を産んだ者、

自分を力づけた者とともに、引き渡される。

しかし、彼女の根から一つの芽が、

父に代わり起こる。

そして、北の王の軍に立ち向かい、

その砦に攻め入り、戦い勝つ。

なお、彼は、自分達の神々を鋳て像にする。

銀と金の貴い器と一緒に、エジプトに移す。

彼は何年もの間、北の王と関わりを持たない、

しかし、北の王は、南の王の国に侵入する。

そして、自分の地に帰る。

しかし、その息子達は戦いを仕掛け、

夥しい(おびただしい)数の

強力な大軍を集める。

進みに進み、押し流すように超えて生き、

そうして、再び敵の砦に戦いを仕掛ける。

南の王は大いに怒って、北の王と戦う。

その大軍を打ち破ると南の王の心は高ぶる。

しかし、勝利を得ることはない。

数年後、北の王が再び、戦いを挑むからである。

多くの軍勢・多くの武器、

以前よりも増して大きな夥しい大軍である。

その頃、

多くの者が南の王に反抗して立ち上がった。

あなたの民の暴徒達も高ぶり、

幻を実現させようとするが、失敗する。

しかし、北の王が来て塁を築く。

そして、城壁のある街を攻め取ると、

南の軍勢は立ち向かう事ができない。

精兵達でさえ立ち向かう力がない。

そのようにして、

これを攻めて来る者は思いのままにふるまう。

彼に立ち向かう者はいない。

彼は麗しい国にとどまり、

自分の手で滅ぼし尽くそうとする。

そして、

自分の国の総力を挙げ、攻め入ろう。

と、決意する。

まず、相手と和睦として娘の一人を与え、

その国を滅ぼそうとする。

しかし、それは成功せず、

彼の思い通りにならない。

それで、彼は島々に目を向け、

その多くをせめ落とす。

しかし、ある指揮官が、

彼に侮辱をやめさせるどころが、

逆にその侮辱を彼の上に返す。

彼は、自分の国の砦に引き返し、

つまずき、倒れていなくなる。

彼に代わって、一人の人が起こる。

彼は国の栄光の為に、

税を取り立てる者を行き巡らす。

しかし、数日のうちに、

怒りにも戦いにもよらずに滅ぼされる。

彼に代わって、一人の卑劣なものが、起こる。

彼には、国の権威は与えられない。

不意に来ては、

巧みな言葉を使い、国を奪い取る。

彼の前では、

洪水のような軍勢も、契約の君主さえも

一掃されて打ち砕かれる。

彼は、同盟を組んだ後で欺き、

少ない人数で勢力を増していく。

彼は、不意にその州の肥沃な地域に侵入する。

彼の父達も、祖父達もしなかった事を行う。

彼は、そのかすめ奪った物、分捕り物、

財宝を自分たちの間で分け合う。

彼は、計略を巡らして、要塞を攻める。

だが、それは時が来る迄の事である。

彼は勢力と勇気を駆り立て、

大軍勢を率いて南の王に立ち向かう。

南の王も非常に強い大西軍を率いて、

奮い立ち、戦う。