それで、ピラトは、

イエスを捉えて鞭で打った。

兵士達は、

茨で編んだ冠をイエスの頭に被らせた。

紫の衣を着せた。

兵士達

ユダヤ人の王様、万歳!

兵士達はイエスの顔を平手で叩いた。

ピラトは再び外に出た。

ピラト

兵士達、あのひとをお前たちの所に連れてくる。

そうすれば、

私には、あの人に何の罪も見出せない事

が、お前たちもわかるだろう。

イエスは、

茨の冠と紫の衣をつけて、出て来られた。

ピラト

見よ。この人だ。

兵士達と祭司長達と下役達はイエスを見た。

祭司長達と下役達

十字架に付けろ!!

十字架に付けろ!!!

ピラト

お前たちがこの人を引き取り、十字架に付けよ。

私には、この人に罪を見出せない。

ユダヤ人達

私達には律法があります。

その律法によれば、

この人の行った事は、死に当たります。

自分を

神の子

と、証したのですから。

ピラトはこの言葉を聞くと、

ますます恐れを覚えた。

そして、再び総督官邸に入った。

ピラト

イエスよ、あなたはどこから来たのか。

イエスは何もお答えにならなかった。

ピラト

私に話さないのか。

私には、

あなたを釈放する権威があり、

十字架に付ける権威もある事

を、知らないのか。

イエス

上から与えていなければ、

あなたには、

私に対して何の権威もありません。

ですから、私をあなたに引き渡した者に、

もっと大きな罪があるのです。

ピラトはイエスを釈放しようと努力した。

ユダヤ人達

この人を釈放するのなら、

あなたはカエサルの友ではありません。

自分を王とする者は皆、

カエサルに背いています。

ピラトはこれらの言葉を聞いて、

イエスを外に連れ出した。

そして、敷石で、

(ヘブル語でガバダと呼ばれる場所)

裁判の席に着いた。

その日は過ぎ越しの備え日で、

時はおよそ第六の時であった。

ピラト

ユダヤ人達よ、

見よ、お前達の王だ。

ユダヤ人達

除け!

除け!!!!

十字架に付けろ!!!!!

ピラト

お前達の王を私が十字架に付けるのか。

祭司長達

カエサルの他には、私達に王はありません。

ピラトは、イエスを十字架に付ける為に、

祭司長達に引き渡した。

祭司長達はイエスを引き取った。

イエスは自分で十字架を負って、

どくろの場所(「ヘブル語ではゴルゴタ」

と、呼ばれる所に出て行かれた。

イエスは、その場所で十字架に付けられた。

また、イエスを中心に、

左右に一人ずつ十字架に付けた。

ピラトは罪状書きを書いて、

十字架の上に掲げた。

それには、

ユダヤ人の王・ナザレ人イエス

と、書かれていた。

イエスが十字架に付けられた場所は、

都に近かった。

なので、多くのユダヤ人が、

この罪状書きを読んだ。

それは、

ヘブル語・ラテン語・ギリシア語

で、書かれていた。