マルタは帰宅した。

マルタ

(目立たないように)マリア、

先生がお見えになり、

あなたを呼んでおられます。

マリアは直ぐにイエスの所に向かった。

マリアと一緒に

ラザロの死を悲しんでいたユダヤ人達も

彼女の後を追った。

マリアがイエスのもとに来た。

そして、彼の足元に触れ伏した。

マリア

主よ、

もしあなたが此処にいてくださったなら、

兄弟は亡くならなかったでしょうに。

イエスは、マリアが泣く姿、

彼女と一緒に来たユダヤ人達が

泣いている姿をご覧になった。

そして、霊に憤りを覚え、心を騒がせた。

イエス

ラザロをどこに置きましたか。

ユダヤ人達

主よ、こちらに来てください。

御覧ください。

マリヤが、

どんなにラザロを愛しておられた事か。

ユダヤ人何某

見えない人の目を開けたこの方も

ラザロが死なないようにする事は、

できなかったのか。

イエスは再び心のうちに憤りを覚えた。

そして、墓に来られた。

墓は洞穴で、石が置かれてふさがれていた。

イエス

その石を取り除けなさい。

マルタ

主よ、もう臭くなっています。

亡くなってから四日になりますから。

イエス

マルタよ、あなたに、

信じるなら神の栄光を見る。

と話しましたね。

彼らは石を移動させた。

イエスは、空を見た。

イエス

父よ、

私の願いを聞いてくださった事を感謝します。

私は、

あなたは、いつでも私の願いをきいて下さる。

と、知っております。

同じように、ここにいる人達も

知ることができますように。

それが、あなたが私を遣わされた事

つまり、

神は実にその一人子を

お与えになったほどに

世を愛された。

それは御子を信じる者が、

一人として滅びる事なく、

永遠の命を持つ為である。

神が御子を世に遣わされたのは

世を裁く為ではなく

御子により世が救われる為である。

御子を信じる者は裁かれない。

信じない者はすでに裁かれている。

神のひとり子の名を

信じなかったからである。

その裁きとは、光が世に来ているのに、

自分の行いが悪い為に、

光よりも闇を愛した事である。

悪を行う者は皆、光を憎み、

その行いが明るみに出される事を恐れて、

光の方に来ない。

しかし、真理を行う者は、

その行いが神にあってなされた事が

明らかになるように、光の方に来る。

という事を彼らが信じるようになるために。

(大声で)ラザロよ、出て来なさい。

すると、亡くなったラザロが

手と足を長い布で巻かれたまま出てきた。

彼の顔は布で包まれていた。

イエス

布をほどき、帰らせなさい。

その場にいた多くのユダヤ人達が、

イエスを信じた。