テオフィロ様
私は前の書で、イエスの行いを始め、教えられた全ての事について書き記しました。
それは、お選びになった使徒達に聖霊によって命じた後、天に上げられた日までの事でした。
イエスは苦しみを受けた後、ご自分が生きている事を使徒達に示された。
40日にわたって彼らに現れ、神の国の事を語られた。イエスは使徒達に一緒にいた事を書き記します。
ルカより
五日後、大祭司アナニアは、数人の長老達、
及びテルティロという弁護士と一緒に来た。
そして、パウロと総督と告訴した
パウロが呼び出された。
テルティロ
フェリクス閣下、閣下のおかげで、
私達は素晴らしい平和を享受しております。
私達は、あらゆる面で、
また、いたるところでこの事を認めています。
そして、心から感謝しております。
私達が手短に申し上げる事を
ご寛容をもってお聞きください。
これ以上ご迷惑をおかけしない為です。
お願いいたします。
お聞きください。
実は、この男性は疫病のような人間です。
何故なら、世界中のユダヤ人の間に、
騒ぎを起こしている者だからです。
また、ナザレ人の一派の首謀者でもあります。
この男性は宮さえも汚そうとしました。
なので、私達は彼を捕えました。
閣下ご自身で、彼をお調べください。
されば、
私達が彼を訴えております理由について
よくお分かりいただけると思います。
ユダヤ人達もこの訴えに同調した。
その時、総督がパウロに話すように合図した。
パウロ
閣下が長年、この民の裁判を、
司ってこられた事を存じております。
お調べになればお分かりになる事です。
が、私が礼拝の為にエルサレムに上ってから
12日しかたっていません。
そして、宮でも会堂でも町の中でも、
私が誰かと論争する姿、
群衆を扇動する姿を見た者はいません。
また、今、私を訴えている事について、
彼等は閣下に証明できない筈です。
ただ、私は閣下の前で、次の事は認めます。
私は、彼らが分派と呼んでいるこの道に従って、
私達の先祖の神に仕えています。
私は、
律法に叶う事、
預言者達の書に書かれている事
を、すべて信じています。
また、この人達自身は、
正しい者も正しくない者も復活する。
と、望みを抱いています。
私もその望みを神に対して抱いています。
その為に、私はいつも、
良心を保つように最善を尽くしています。
神の前にも人の前にも、
責められる事のない為です。
さて、私は、同胞に対して施しをする為に、
何年かぶりかで帰ってきました。
その捧げ物をし、私は潔めを済ませて
宮の中にいる所を見られたのです。
が、別に群衆もおらず、
騒ぎもありませんでした。
ただ、アジアから来たユダヤ人が数人いました。
もし、彼等が、
私に対して何か非難したい事があるとします。
ならば、彼等が閣下の前に来て、
訴えるべきだったのです。
そうでなければ、
ここにいる人達が、
最高法院の前に立っていた時の私に、
どんな不正を見つけたのか。
を、言うべきです。
私は、彼等の中に立ちました。
そして、ただ一言
死者の復活の事で、
私は今日あなた方の前で裁かれている。
と、叫んだにすぎません。
フェリクス
この道についてかなり詳しく知っている。
船員隊長リシアが下ってきたら、
お前達の事件に判決を下す事になる。
裁判を延期する。
百人隊長、パウロを監禁するように。
しかし、ある程度自由を与えなさい。
仲間の者達が、パウロの世話をするのを
妨げない事を命ずる。
数日後、フェリクスは、
ユダヤ人である妻ドルシラとともにやって来てた。
そして、パウロを呼び出した。
フェリクス
そして、
キリスト・イエスに対する信仰について、
話を聞いた。
今は帰ってよい。
折りを見て、また呼ぶ事にする。
また同時に、フェリクスには、
パウロからお金をもらいたい下心があった。
何度もパウロを呼び出して語り合った。
二年が過ぎた。
ポルキウス・フェストゥスが、
フェリクスの後任になった。
しかし、フェリクスは、
パウロを監禁したままにしておいた。
ユダヤ人達の機嫌を取る為である。