断食するときには、偽善者たちのように

やつれた顔つきをしてはいけません。

彼らは、

断食していることが人に見えるように。

と、その顔をやつすのです。

まことに、あなた方に告げます。

あなたが断食する時には、

自分の頭に油を塗り、顔を洗いなさい。

断食をしていることが、

人に見られないようにしなさい。

隠れた所におられる

あなたの父に、見られる為です。

そうすれば、隠れた所で見ておられる

あなたの父が報いてくださいます。

自分の宝を地上に蓄えるのはやめなさい。

そこでは虫と錆で、きず物になり、

また盗人が穴をあけて盗みます。

自分の宝を天に蓄えなさい。

そこでは、虫も錆びつかず、

盗人が穴をあけて盗むこともありません。

あなたの宝のあるところに、

あなたの心もあるからです。

身体のあかりは目です。

それで、もし、あなたの目が健全なら、

あなたの全身が明るい。

もし、目が悪ければ、

あなたの全身が暗いでしょう。

それなら、

もしあなたのうちの光が暗ければ、

その暗さはどんなでしょう。

誰も、二人の主人に仕える事はできません。

一方を憎んで他方を愛したり、

一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。

あなた方は、神にも仕え、

また富にも仕えるという事はできません。

だから、私は

何を食べようか、何を飲もうか、

何を着ようかと悩んではいけません。

と、あなた方に言います。

命は食べ物より大切な物、

身体は着物より大切な物ではありませんか。

空の鳥を見なさい。

種まきもせず、刈り入れもせず、

倉に納めることもしません。

けれども、あなた方の天の父が

これを養っていて下さるのです。

あなたがたは、鳥よりも、

もっと優れた者のではありませんか。

あなた方の中で

誰かが心配してくれたからと言って、

自分の命を少しでも延ばすことができますか。

なぜ着物の事で心配するのですか。

野のユリがどうして育つのか。

よくわきまえなさい。

働きもせず、紡ぎもしません。

しかし、私はあなた方に言います。

ソロモンは栄華を極めました。

しかし、このような花の一つほどにも、

着飾ってはいませんでした。

今日あっても、

明日は炉に投げ込まれる野の草さえ、

神はこれほどに装ってくださいます。

まして、あなた方を、粗雑に扱いますか。

信仰の薄い人達。

そういう訳だから

何を食べるのか

何を飲むのか

何を着るのか

と、心配するのはやめなさい。

これは、異邦人が切に求めているものなのです。

しかし、あなた方の天の父は、

あなた方に必要なものを知っておられます。

だから、

神の国とその義とをまず第一に求めなさい。

そうすれば、それに加えて、

あなたの必要な物は全て与えられます。

明日の為の心配は無用です。

明日の事は明日が心配します。

労苦はその日その日に十分ありますから。