ヨブは、
全能者に時が隠されていない。
何故、神を知る者達には、神の日々が見られないのか。
人々は地境を動かし、群れを奪ってこれを飼う。
みなしごの驢馬を連れ去り、
やもめの牛を質に取り、
貧しい者達を道から押しのける。
地の苦しむ者達は、覆い隠される。
その人達は、荒野の驢馬のように、
働きに出ては獲物を探す。
荒れた地で、子達の為に食べ物を求めて。
野で自分の飼い葉を刈り取り、
悪しき者のブドウ畑で残りの者を集める。
着る物もなく、裸で夜を明かし、
寒さの中でも身を覆うものがない。
山の嵐でずぶぬれになり、避け所もなく、岩を抱く。
みなしごは乳房から引き離され、
貧しい者が持つ者は質に取られる。
着る物もなく裸で歩き、飢えながら麦束を運ぶ。
オリーブの植え込みの間で、油を搾り、
踏み場で葡萄を踏みながらも、なお渇く。
人の住む町からうめき声が起こり、
傷ついた者の魂が助けを求めて叫ぶ。
しかし、神はその叫び声に心を留められない。
これらの者は、光に背く者。
光の道を認めず、光のとおり道に留まろうとしない。
人殺しは、光のある間に起き上がる。
苦しむ人や貧しい人を殺して、夜には盗人となる。
姦通する者の目も、夕暮れ時を見張り、
誰の目も私に気付かない。
と、言いながら、自分の顔に覆いをする。
彼は暗くなってから家々に侵入する。
昼間は、閉じこもっていて光を知らない。
朝はことごとく、彼のような者には暗黒である。
彼は暗黒の恐怖と親しいからだ。
彼のような者は水の面を素早く通り過ぎ、
彼等の割り当て地はその地で呪われる。
誰も彼等のブドウ畑の道に向かわない。
日照りと暑さは雪解け水を、
よみは罪を犯した者を奪い去る。
母の胎は彼を忘れ、うじ虫は彼を好んで食べる。
彼は、もう思い出される事はない。
不正な者は木のように折られる。
彼は、
子を産まない不妊の女性を食い物にし、
やもめに良くしない。
彼は力を持って、権力者達を引きずり降ろす。
彼自身は台頭するが、
自分に命のある事が信じられない。
神が彼に安全を与える。
なので、彼は支えられる。
しかし、神の目は彼等の道の上に注がれる。
彼は暫くの間、高められるが、いなくなる。
低くされ、全ての者と同じく刈り集められる。
そして、麦の穂先のように枯れる。
今、そうでないからと言って、
誰が私をまやかしものだと言えるのか。
誰が私の言葉を戯言とみなせるのか。
と、答えた。
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