ヨセフ

執事よ。

来客たちの袋を、

運べる限りの食糧で満たし、

一人一人の銀を彼らの袋の栗に入れておけ。

それから、

私の杯・あの銀の杯は、

一番年下の者の袋の口に、

穀物の代金と一緒に入れておけ。

執事はヨセフの指示に従った。

明け方、一行はロバとともに送り出された。

ヨセフ

執事よ、

あの者達は、まだ、

それほど遠くへは行っていない。

彼らの後を追え。

追いついたら、

なぜ、お前たちは、

悪をもって善に報いるのか。

これは、

私の主君が、

いつも使っている銀の杯を持っていないか。

と、聞きなさい。

執事は、ヤコブの息子達に追いついた。

そして、ヨセフの伝言を伝えた。

ヤコブの息子達

あなた様は、なぜ、

そのようなことをおっしゃるのですか。

しもべどもが、そんな事を、

するなどとあり得ない事です。

袋の口で見つけた銀でさえ、

カナンの地からあなた様のもとへ、

返しに来たではありませんか。

そのような者が、

あなた様のご主人の家から銀や金を、

盗みますか。

しもべどもの中で、

あなた様の銀を持つ者がいたのなら、

殺してください。

そして、私達もまた、

ご主人の奴隷になります。

ヨセフの執事

お前たちのいう事は、わかった。

しかし、お前達の荷物を調べさせてくれ。

私の主人の銀の杯が見つかった者は、

私の奴隷とし、他の者は無罪としよう。

彼らは急いで、

それぞれいそいで自分の袋を地面におろし、

それぞれの袋を開けた

彼は、年長の者から順番に調べ始めた。

すると、その杯は、

ベニヤミンの袋から見つかった。

彼らは、自分の衣を引き裂いた。