朝、ヨセフが彼らの所に来た。
二人の顔色は、良くなかった。
ヨセフ
今日、お二人は顔色がさえないは、どうしてですか。
献酌長官と料理官長
私達は夢を見たが、それを解き明かす人がいない。
ヨセフ
解き明かしは、神のなさる事ではありませんか。
さぁ、私に話してください。
献酌官
夢の中で、
私の目の前に一本のぶどうの木があった。
そのブドウの木には、三本のつるがあった。
それは、芽を出すと、すぐ花が咲き、
房が熟してブドウの実になった。
私の手にはファラオの杯があった。
だから、私はそのブドウを搾り、
果汁をその杯に入れ、ファラオに捧げた。
ヨセフ
その解き明かしはこうです。
三本のつるとは三日の事です。
三日のうちにファラオは、
あなたを呼び出して、もと地位に戻すでしょう。
あなたは、
ファラオの献酌官であった時の定めに従い、
葡萄の果汁の入ったファラオの杯を、
捧げるでしょう。
あなたが、幸せになった時には、
どうか、私を思い出してください。
私の事をファラオに話して、
ここから私が出られるよう、とりなしてください。
私は、
ヘブル人の国からさらわれてきたのです。
ここで投獄されるような事は、何もしていません。
料理官長
ヨセフ、献酌官の夢の解き明かしは素晴らしかった。
私の夢もお願いします。
私の頭の上に枝編みの籠が三個ありました。
一番上の籠には、ファラオの為に、
料理官が作ったあらゆる食べ物が入っていたが、
鳥が食べてしまいました。
ヨセフ
その解き明かしはこうです。
三個の籠とは三日の事です。
三日に、
ファラオはあなたを呼び出します。
そして、あなたは木に吊るされ、
鳥があなたの肉をついばむでしょう。
三日は、ファラオの誕生日であった。
それで彼は、総ての家臣達の為に祝宴を催し、
献酌官長と料理官長を家臣たちの中に呼び戻した。
そして、献酌官長をもとの役職に戻した。
献酌官長は、その杯をファラオの手に捧げた。
しかし、料理官長の方は木に吊るした。
ヨセフの夢の解き明かしは正しかった。
ところが、献酌官長は、
ヨセフの事を思い出さなかった。
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