ヨセフの兄達は、

シェケムで父の羊の群れを世話するために、出かけた。

イスラエル

ヨセフよ、

お前の兄さんたちは、

シェケムの群れで羊の世話をしている。

そこに行き、

兄さんたちが無事かどうか、

そして羊の群れが無事かどうか

を、見てきてほしい。

そして、私に知らせてほしい。

こうして、ヨセフは、

ヘブロンの谷からシェケムに向かった。

彼が野をさ迷っていると、人が近寄ってきた。

某Ａ

何を探しているのですか。

ヨセフ

兄達を捜しています。

もし、ご存知ならば、

どこで、群れの世話をしているのか

教えてください。

某Ａ

ここから去りました。

私は、

ドタンのほうに行こう。

と、話しているのを聞きました。

ヨセフは兄達を追い、見つけた。

兄達

見ろ、あの夢見る者がやってきた。

さぁ、今こそあいつを殺し、

どこかの穴のひとつにでも投げ込んでしまおう。

そうして、父には、

凶暴な獣が食い殺した。

と、言おう。

あいつの夢がどうなるかを見ようではないか。

ルベン

あの子を打ち殺すのはやめよう。

弟の血を、流してはいけない。

ヨセフを、荒野のこの穴に投げ込みなさい。

手を下してはいけない。

ルベンは

後からヨセフを彼らの手から救い出し、

父の元に帰そう。

と、考えた。

ヨセフが、兄達に追いついた。

その時、兄達は、綾織の長服を剥ぎ取った。

それから、捕らえて、水のない穴の中に投げ込んだ。

それから、ヨセフの兄達

シメオン・レビ・ユダ・イッサカル・ゼブルン・

ディナ・ダン・ナフタリ・ガド・アシェルは、

座って食事をした。

長兄・ルベンはいなかった。

食事の途中、

目を上げると、イシュマエル人の隊商がいた。

この隊商は、

ギルアデからエジプトへ向かう途中であった。

樹膠・乳香・没薬をらくだに乗せていた。

ユダ

弟を殺し、

その血を隠して、何の得になろう。

だから、

ヨセフをイシュマエル人に売ろう。

われわれが手をかけてはいけない。

あいつは、

我々の弟・我々の肉親なのだから。

その時、ミディアの商人たちが通りかかった。

兄弟たちは、ヨセフを穴から引き上げ、

銀貨20枚でヨセフをイシュマエル人に売った。

（ミディア人の商人はどこへ行った。）

イシュマエル人たちは、

ヨセフをエジプトに連れてきた。