第  9  章
そ  の  5

翌日、民は、野に出かけて行き、

アビメレクに告げた。

そこで、

アビメレクは自分の民を引き連れて、

それを三隊に分け、

野で待ち伏せた。

そして、街から出てきた民を襲った。

アビメレクと

彼とともにいた1隊は突入して、

街の門の入り口に立った。

一方、他の2隊は、

野にいた全ての者を襲って、撃ち殺した。

アビメレクはその日、

一日中、街で戦い、この街を攻め取り、

民を殺し、町を破壊して、

そこに塩を撒いた。

シュケムのやぐらの者達はみな、

これを聞いて、

エル・ベリケの宮の地下室に入った。

シュケムのやぐらの者達が皆集まった事が

アビメレクに告げられた時、

アビメレクは、

自分とともにいた民とツァルモン山に登った。

アビメレクは手に斧を取って、

木の枝を切り、

これを持ち上げて、

自分の肩にのせ、ともにいる民に話した。

「私がするのを見たとおりに、

あなた方も急いでその通りにしなさい。」

それで、民達は、木の枝を切った。

その後、アビメレクについて行き、

切った枝を地下室の上に置き、

火をつけて焼いたので、

シュケムの人達・男女約1,000人も

みな亡くなった。

それから、アビメレクはテベツに行き、

テベツに対して陣を敷き、

これを攻め取った。

この街の中に、一つ堅固なやぐらがあった。

すべての男性・女性・この街の者達は

そこへ逃げて、立てこもり、

やぐらの屋根に上った。

そこで、アビメレクはやぐらの所まで行き、

これと戦い、やぐらの戸に近づいて、

それを火で焼こうとした。

その時、

一人の女性がアビメレクの頭に

碾臼(ひきうす)の上石を投げつけて、

彼の頭蓋骨を砕いた。

アビメレクは急いで、

道具持ちの若者を呼んで話した。

「お前の剣を抜いて、私を殺してくれ。

『女性が殺したのだ』

と、私の事を人が言わないように。」

それで、若者が彼を刺し通したので、

彼は亡くなった。

イスラエル人は

アビメレクが亡くなったのを見た時、

一人一人自分の所へ帰った。

こうして神は、

アビメレクが彼の兄弟70人を殺して、

その父に行った悪を、彼に報いられた。

神は、

シュケムの人々の全ての悪を

彼らの頭上に報いられた。

こうして、

エルバアルの子ヨタムの呪いが

彼らに実現した。