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第  3  章
 そ  の  2
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イスラエル人が、主に叫び求めた時、

主は彼らの為に、一人の救助者、

ベニヤミン人ケラの子で、

左ききのエフデを起こされた。

イスラエル人は、

彼を通してもモアブ王、エグロンに貢物を送った。

エフデは、

長さ1キュビトの一握りのもろ刃の剣をつくり、

それを着物の下の右ももの上の帯を挟んだ。

こうして、

彼はモアブの王エグロンに貢物を捧げた。

エグロンは非常に太っていた。

貢物を捧げ終わった時、

エフデは貢物を運んで来た者たちを帰らせ、

彼自身は

ギルガルのそばの石切り場から戻ってきた。

  「王様、

私はあなたに秘密のお知らせがあります。」

と、告げた。

すると、王は、

  「今、言うな」

と、エフデが話そうとするのを止めた。

そこで、王のそばに立っていた者たちは皆、

彼の所から出て行った。

エフデは、王の所へ足を運んだ。

その時、

王は一人で涼しい屋上の部屋に座していた。

エフデが、

  「私にあなたへの神のお告げがあります。」

と、話すと、王は、その座から立ち上がった。

この時、エフデは左手を伸ばして、

右ももから剣を取り出し、王の腹を刺した。

柄(つか)も刃も、ともに入ってしまった。

彼が剣を王の腹から抜かなかったので、

脂肪が刃をふさいでしまった。

エフデは窓から出て、

廊下へ出て行き、

王のいる屋上の部屋の戸を閉じ、

閂(かんぬき)で締めた。

彼が出て行くと、王のしもべ達がやってきた。