ダビデはノブの祭司アヒメレクの所に来た。

アヒメレクは震えながらダビデを迎えた。

アヒメレク

何故、お一人で誰もお供がいないのですか。

ダビデ

王は、私に

お前を遣わし、

お前に命じた事については、何も人に知らせてはならない。

と、言いました。

若い者達とは、ある場所で落ち合う事にしています。

今、お手元に何かありますか。

もしあれば、パン五つでもかまいません。

お願いですから、いただけませんか。

祭司・アヒメレク

手元には、普通のパンはありません。

ですが、もし若者達が、女性達から身を遠ざけている。

ならば、聖別されたパンはありますか。

ダビデ

実際、私が以前戦いに行った時と同じ様に、

女性達は私達から遠ざけられています。

若い者達の身体は、聖別されています。

普通の旅でもそうです。

だから、まして、今日彼らの身体は聖別されています。

祭司は彼に聖別されたパンを与えた。

そこには、温かいパンと置き換える為に、

その日、

主の前から取り下げられた臨在のパンしかなったからである。

その日、

そこにはサウルのしもべの一人が、

主の前に引き留められていた。

その名をドエグ。

エドム人。

サウルの牧者達の長であった。

ダビデ

祭司・アヒメレク

ここには、あなたの手元に、槍か剣はありませんか。

私は自分の剣も武器も持って来なかったのです。

王の命令があまりにも急だったので。

祭司・アビメレク

ご覧ください。

あなたはエラの谷で、ペリシテ人ゴリヤテを討ち取りました。

その剣が、エポデの後ろに布に包んであります。

よろしければ、持って行きなさい。

ここには、それしかありませんから。

ダビデ

それに勝るものはありません。

私に譲ってください。

ダビデは、その日、直ちにサウルから逃れた。

そして、ガデの王・アキシュの所に来た。

アキシュの家来達

ご主人様。

この人は、かの地の王ダビデではありませんか。

皆が踊りながら

サウルは千を討ち、

ダビデは万を討った。

と、歌っていました。

その歌は、この人の事ではありませんか。

ダビデはその言葉を気にした。

だから、ガテの王アキシュを非常に恐れた。

ダビデは彼らの前で、おかしくなったかのように振る舞った。

そして、捕らえられて、気が変になったふりをした。

門の扉に傷をつけたり、髭によだれをたらしたりした。

アキシュ

家来達よ。

お前達も見ているように、この男は気がふれている。

何故、私の所に連れて来たのか。

私の所に、気がふれた者が不足している。

とでも言うのか。

この男を連れてきたのは、

この男が気がふれている姿を見せる為か。

この男を私の家にいれようとでも言うのか。

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