ナオミ
娘よ、私は、あなたが幸せになる為に、
身の落着所を、探してあげなければなりません。
あなたが一緒にいた
若い女性達の主人ボアズは、私達の親戚ではありませんか。
ちょうど今夜、
あの方は打ち場で大麦を、ふるい分けようとしています。
あなたは体を洗い、油を振り、
晴れ着を纏って打ち場に行きなさい。
けれども、ボアズ様が、
食べたり飲んだりし終わるまでは、
気付かれないようにしなさい。
そして、彼の寝る場所に入る姿を見届け、その後に続きなさい。
足元の布団をまくり、そこで寝なさい。
ボアズ様が、あなたがなすべき事を、教えてくれるでしょう。
ルツは、打ち場に行き、姑が命じた事を行った。
ボアズは、飲食をし、気分がよくなった。
そして、積み重ねてある麦の傍らに行き、寝た。
ナオミは、こっそりボアズの後を追った。
そして、ボアズの足元のシーツをまくり、そこで寝た。
夜中になり、ボアズは、
一人の女性が自分の足もので寝ている姿。
を、見て驚いて起き直った。
ボアズ
あなたは誰だ。
ナオミ
私はあなたのはしためルツです。
あなたの覆いを、あなたのはしための上に広げてください。
あなたは買い戻しの権利がある親類です。
ボアズ
主があなたを祝福されるように。
あなたが示した今回の誠実さは、先の誠実さに勝っています。
あなたは、貧しい者でも富んだ者でも
若い男の後は、追いかけませんでした。
娘さん、もう恐れる必要はありません。
あなたが言う事は全てしてあげましょう。
この街の人々は、皆、
あなたがしっかりした女性。
である事を知っています。
ところで、確かに私は、買い戻しの権利のある親類です。
しかし、私よりもっと近い、買戻しの権利のある親類がいます。
その人に、
親類の役目を果たしてもらいましょう。
もし、その人があなたに、
親類の役目を果たす事を望まないなら、
私があなたを買い戻します。
主は、生きておられます。
さぁ、朝までお休みなさい。
ルツは朝まで彼の足元で寝て、
誰の顔か見分けがつかないうちに起きた。
ボアズ
打ち場に、あなたが来た事が、知られてはならない。
だから、あなたが着ている上着を、
しっかりと持ち、掴んでいなさい。
ルツは上着をしっかりと掴んだ。
彼は大麦六杯を測り、彼女に背負わせた。
それから彼は街に出かけた。
ルツがナオミの所に帰った。
ナオミ
娘よ、どうでしたか。
ルツは、
ボアズが自分にしてくれた事
を、姑ナオミに、全て告げた。
ルツ
ボアズ様は、
姑の所に手ぶらで帰ってはならない。
と言い、大麦6杯をくださいました。
ナオミ
娘よ、この事がどう収まるかわかる迄、待っていなさい。
あの方は、今日、この事を決めないと、
落ち着かないでしょうから。
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