第 2 章

モアブの女性ルツ

どうぞ、畑に行かせてください。

私に親切にして下さる方の後について

落ち穂を拾い集めたいのです。

ナオミ

娘よ。行きなさい。

ルツは出掛けて行き、刈る人の後について、

落ち穂を拾い集めたが、

それは、

エリメレク一族に属するボアズの畑の内であった。

ボアズは、ナオミの夫の親戚で、

エリメレクの一族に属する一人の有力者である。

ちょうど、ボアズはベツレヘムからやって来た。

ボアズ

主があなた方と共におられますように。

落ち穂を刈る者達

主があなたを祝福されますように。

ボアズ

これは誰の娘か。

刈る者達の世話をしている若者

彼女は、

ナオミと一緒にモアブから帰ってきた娘です。

ナオミ

どうぞ、しばらくの間、刈る人達の後について、

落ち穂を拾い集めさせて下さい。

朝から今まで家で休みもせず、

ずっと立ち働いています。

ボアズ

娘さんよ。よく聞きなさい。

他の畑に落穂拾いに行ってはいけません。

私の畑だけで落ち穂を拾いなさい。

私の所の若い女性たちのそばを離れないで、

ここにいなさい。

刈り取っている畑を見つけて、

後について行きなさい。

私は若者たちに、

あなたの邪魔をしてはならない。

と、きつく命じておきました。

喉が渇いたら、水瓶の所へ行き、

若者たちの汲んだ水を飲みなさい。

ナオミは顔を伏せ、地面に触れ伏した。

ナオミ

私が異国人である事を知りながら、

どうして親切にして下さるのですか。

ボアズ

あなたの夫が亡くなってから、

あなたの姑への愛情、

あなたの両親の事や

生まれた国を離れて、

見知らぬ土地で、見知らぬ人々の中で、

暮らしている事を全て聞いています。

主が、あなたの行いに報いてくださるように。

また、ここが、あなたにとって

イスラエルの神の翼の下の避け所

で、あるように。

そこで、主から豊かな報いがありますように、

ナオミ

ご主人様、私は

あなたのご厚意にあずかりたいと思います。

私は、

あなたのはしための一人でもありませんのに、

手を差し伸べて下さりありがとうございます。

ボアズ

ここに来て、このパンを食べ、

あなたのパン切れを酢に浸しなさい。

彼女が刈る者達のそばに座ったので

ボアズは、炒り麦を彼女に与えた。

ナオミは、それをお腹いっぱいに食べて

余りを残しておいた。

彼女が落ち穂を拾い集めようとして立ち上がった。

ボアズ

若者よ。あの女性には、

落ち穂ではなく穂を拾い集めさせなさい。

あの女性に、

恥ずかしい思いをさせてはならない。

それから、彼女の為に、

束からわざと穂を抜き落としておいて、

拾い集めさせなさい。

あの女性を叱ってはならない。

ルツは、夕方まで畑で落ち穂を拾い集めた。

拾った落ち穂から大麦が1エバほどできた。

ルツは、姑のもとに帰った。

そして、拾い集めた大麦と、

残しておいた炒り麦を、姑に渡した。

ナオミ

今日、あなたはどこで

落ち穂を拾い集めたのですか。

どこで働いたのですか。

あなたを、

目に留めて下さった方に祝福がありますように。

ルツ

今日、私は、

ボアズという名の人の所で働きました。

ナオミ

生きている者にも、亡くなった者にも、

御恵みを惜しまれない主が、

その方を祝福されますように。

ボアズは、私たちの近親者で、

しかも買い戻しの権利のある

私達の親類の一人です。

ルツ

その方は、

私の所の刈り入れが全部終わるまで、

私の若者たちのそばを離れてはいけない。

と、私におっしゃいました。

ナオミ

私の嫁よ。ボアズの所の若い女性達と

一緒に働くことはとても良い事です。

他の畑でいじめられなくても済みます。

それで、彼女は、

ボアズの所の若い女性達のそばを離れないで、

大麦と小麦の刈り入れの終わりまで、

落ち穂を拾い集めた。

こうして、ルツは姑ナオミと暮らした。