預言者A

御覧の通り、

私達が住んでいる家は狭くなりました。

だから、ヨルダン川に行きましょう。

そこから一人ずつ材木を切り出して

私たちの住む所を造りましょう。

エリシャ

わかりました。行きなさい。

預言者B

エリシャ様、あなたも一緒に行きませんか。

エリシャ

わかりました。私も一緒に行こう

エリシャはしもべ達と一緒に旅立った。

彼らは、ヨルダン川に着くと、木を切り倒した。

一人が材木を倒している時、

斧の頭を水の中に落とした。

斧の頭を水の中に落とした人

わが主、あれは借り物です。

エリシャは落とした場所を聞くと、

一本の枝を切り、

落とした場所に投げ込み、斧の頭を浮かばせた。

エリシャ

それを拾い上げなさい。

その人は手を伸ばし、取り上げた。

イスラエルと戦っていた時、

アラムの王は家来たちと相談した

アラムの王

陣を敷く場所を決めた。

その時、

エリシャはイスラエルの王のもとに人を遣わせた。

エリシャの遣いの人

あの場所を通らないように注意しなさい。

アラムの王が来ますから。

そこで、

イスラエルの王はエリシャが告げたその場所に

人を遣わせた。

アラムの王の遣い

エリシャのいう事は信じる事ができる。

そのような事が何度も起こった。

アラムの王

我々のうち、

イスラエルの王と通じている者がいるのか。

あなた方が私に告げないのか。

しもべの一人

そうではありません。

イスラエルにいる預言者エリシャが

あなたが寝室の中で語られる言葉までも

イスラエルの王に告げているのです。

アラム王

彼がどこにいるかを突き止めなさい。

そして、彼を捕まえよう。

しばらくすると、

エリシャがドタンいるという知らせがあった。

だから、アラム王は、エリシャを捕える為、

馬と戦車と大軍を出陣させた。

そして、夜、その街を包囲した。

エリシャの若いしもべ

エリシャ様、どうしたらよいでしょう。

エリシャ

恐れるな。

私達とともにいる者は

彼らとともにいる者よりも多いのだから。

わが主よ。

彼の目を開いて見えるようにしてください。

主がその若者の目を開かれた。

若者の目には、火の馬と戦車が山を覆い、

エリシャを取り巻いていた。

アラム王がエリシャに向かってきた。

エリシャ

どうぞ、この民を撃ち、盲目にしてください。

主は、エリシャの言葉のとおり、

彼らを撃ち、盲目にされた。

エリシャ

しもべ達よ。

こちらの道でもない。あちらの街でもない。

私について来なさい。

あなた方の探している人の所へ

連れて行きましょう。

エリシャはしもべ達をサマリヤへ連れて来た。

エリシャ

主よ、この者達の目を開いて、

見えるようにしてください。

彼らが目を開けると、

サマリヤの真ん中にいることがわかった。

主が彼らの目を開かれたからである。

イスラエルの王

エリシャ、私が討ちましょうか。

エリシャ

討ってはなりません。

あなたは

自分の剣と弓で虜にした者を撃ち殺しますか。

彼らにパンと水を与え、食事をさせなさい。

そして、主君のもとに帰らせなさい。

そこで、

王は、彼らの為に最高のおもてなし、

食事をさせた後、主君のもとに帰らせた。

それからはアラムの略奪隊は、

二度とイスラエルの地に侵入してこなかった。

こののち、サマリヤを包囲する為

アラムの王ベン・ハダデは全軍を招集した。

その頃、サマリヤにはひどい飢饉が起こった。

そのうえ、アラムの軍隊が包囲していたので、

ロバの頭一つが銀80シュケルで売られ、

鳩の糞1カブの1/4が

銀5シェケルで売られるようになった。

イスラエルの王が城壁を通りかかった。

すると、フランソワーズという女性が現れた。

フランソワーズ

王様、お救い下さい。

イスラエルの王

あなたの叫びに答えたいと思うが、

主があなたを救われないのなら、

私が救う事ができようか。

打ち場の物をもってか。

それとも、酒船の物をもってか。

いったい、どうしたというのか。

フランソワーズ

ある女性が私に、

あなたの子供をよこしなさい。

私達は今日、あなたの子を食べ、

明日は、私の子を食べましょう。

と、言いました。

だから、

私達は、自分達の子供を煮て食べました。

その翌日、私は彼女に、

さぁ、あなたの子供を渡してください。

私達は、それを食べましょう。

と、言いましたが、

彼女は自分の子供を隠してしまったのです。

王は、この女性の訴えを聞くと、

自分の服を引き裂いた。

そして、荒布をまとっている姿になった。

その姿を城壁の下にいる民達は見た。

イスラエルの王

今日、シャファテの子エリシャの首が

彼の上についていれば、

神が、この私を幾重にも罰せられますように。

エリシャは自分の家に座っていた。

長老達も一緒に座っていた。

イスラエルの王は、ひとりの人を遣わした。

エリシャ

長老たち。まもなく、あの人殺しが、

人を遣わして、私の首をはねに来ます。

気をつけなさい。使者が来たら、

戸を閉め、決して入れないようにしなさい。

使者の後にいる主君の足音が聞こえませんか。

やがて、イスラエルの王の遣いが

エリシャのもとを訪ねてきた。

イスラエルの王の遣い

見よ。主からの災いだ。

主は、私に災いを与えた。

それでも、主に期待しなければならないのか。

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