エリヤは、
ギルアデのティシュベのティシュベ出身であった。
エリヤはアハブに話した。
エリヤ
私の仕えているイスラエルの神、
主は生きておられる。
私が何も言わなければ、
ここ数年は雨が降らないし、
露を見る事もないだろう。
主の仰せ
ここを去って東へ向かい、
ヨルダン川の東にある
ケリテ川のほとりに身を隠せ。
そして、その川の水を飲まなければならない。
私は、カラスに
そこであなたを養うように命じた。
エリヤは主の仰せに従った。
ヨルダン川の東にあるケリテ川のほとりに行き、
そこで暮らした。
朝になると、
数羽のカラスが彼の所にパンと肉と運んできた。
やがて、夕方になると、朝と同じ様に、
数羽のカラスが、パンと肉と運んできた。
エリヤは川の水を飲んだ。
しかし、しばらくすると、その川が枯れた。
その地方に雨が降らなかったからである。
主の仰せ
さぁ、シドンのツァレファテに行き、
そこに住め。
心して聞きなさい。
私は、
その地に住む夫を亡くした一人の女性に命じて、
あなたを養うようにしておく。
彼はツァレファテに向かった。
その町の門に着くと、
たきぎを拾い集めている
一人の夫を亡くした一人の女性がいた。
そこで、エリヤは彼女に声をかけた。
エリヤ
水差しに
ほんの少しの水を飲ませてもらえませんか。
彼女が水を取りに行こうとすると、
もう一度、彼女に声をかけた。
エリヤ
一口のパンも持ってきてもらえませんか。
夫を亡くした女性
あなたの神、主は生きておられます。
わたしは焼いたパンを持っておりません。
ただ、瓶の中にひと握りの粉と
壺にほんの少しの油があるだけです。
御覧の通り、数本のたきぎを集めて帰ってから、
私と息子の為に調理し、
それを食べて死のうと思っているのです。
エリヤ
恐れてはいけません。
まず、私の為に小さなパン菓子を作りなさい。
それを私の所に持って来なさい。
それから、あなたと子供の為に作りなさい。
イスラエルの神、主がこう仰せられるからです。
主が地の上に雨を降らせる日迄は、
その瓶の粉は尽きず、
その壺の油は無くならない。
彼女は帰宅し、エリヤの言葉に従った。
彼女と息子、そして、彼女の家族も
小さなパン菓子を食べる事ができる日々が続いた。
エリヤを通して言われた主の言葉通り、
瓶の粉は尽きず、壺の油は無くならなかった。
これらの事があって後、
彼女の息子が病気になった。
その子の病気は非常に重くなり、
そして息を引き取った。
息子の母
神の人よ。
あなたは、私をどうしようとなさるのですか。
あなたは私の罪を思い知らせ、
私の息子を死なせる為に来られたのですか。
エリヤ
あなたの息子を私によこしなさい
息子を母親の懐から受け取った。
そして、エリヤは
自分の宿泊している屋上の部屋に
息子を抱えて上がり、寝台の上に横たえた。
エリヤ
私の神、主よ。
私の世話をしてくれたこの女性にさえも
災いを下し、息子を死なせるのですか。
そして、エリヤは三度、その子の上に身を伏せた。
エリヤ
私の神、主よ。
どうか、この子の魂を
この子の体に返してください。
主はこの願いを聞かれたので、
子供の魂はその子の体に帰った。
そこで、エリヤは子供を抱いて
屋上の部屋から降りて来て、母親に渡した。
エリヤ
御覧、あなたの息子は生きている。
息子の母親
今、私はあなたが神の人であり、
あなたの口には、主の言葉があり、
それが真実であることを知りました。
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