エステル記 第8章

クセルクセスの時代、クセルクセスが、インドからクシュ(エピオピア)まで127州を治め、クセルクセス王がスサの城で王座に就いていた。

その日、クセルクセス王は王妃エステルに、

ユダヤ人を迫害する者ハマンの家を与えた。

モルデカイは、クセルクセス王の前に来た。

エステエルが、

自分と彼との関係を明かしたからである。

王は、

ハマンから取り返した自分の指輪を外した。

それをモルデカイに与えた。

エステルは、モルデカイに、

ハマンの家の管理を任せた。

エステルは、王の足元にひれ伏した。

エステル

(泣きながら)

アガク人ハマンが、

ユダヤ人に対して企んだ災いと

その計略を取り除いていただけませんか。

王がエステルに金の笏を差し伸ばした。

エステルは身を起こし、王の前に立った。

エステル

私は、王様のご好意を受ける事ができますか。

アガグ人ハメタダの子ハマンは、

全ての州にいるユダヤ人を滅ぼしてしまえ。

と、書簡を出しました。

私は、自分の民族に降りかかる災いを見て、

我慢していられるでしょうか。

また、私の同族が滅びる姿を見て、

我慢していられるでしょうか。

どうか、その企みの書簡を取り消すように、

詔書を出してください。

この事を王様が最もだと思いになり、

私の事がお気に召すならお願いします。

クセルクセス王

王妃エステルとユダヤ人モルデカイ。

そして、ハマンは柱にかけられた。

ハマンの家をエステルに与えた。

ハマンがユダヤ人達に、

手を下そうとしたからである。

あなた方は、

ユダヤ人を良い方向へ導きなさい。

主の名で書き、

私の指輪でそれに印を押しなさい。

私の名で書かれ、

私の指輪で印が押された文書は、

誰も取り消す事が出来ない。

その時、王の書記官達が招集された。

それは第三の月、

すなわちシワンの月の23日であった。

そして、モルデカイが命じた通りに、

ユダヤ人と太守・総督達・

及びインドからクシュまで127州の首長達に、

詔書が書き送られた。

その詔書は、

州で使われている文字で、

民族には使われているその言語で、

ユダヤ人も使われている文字と言語で

書き送られた。

モルデカイは、書簡を

クセルクセス王の名で書き、

王の指輪でそれに印を押し、

その書簡を御用馬の早馬に乗る急使に

託して送った。

その中で王は、

どの町にいるユダヤ人達にも

自分の命を守る為に

自分達を襲う民や州の軍隊を

子供も女性も含めて残らず根絶やしにし、

虐殺し、滅ぼし、彼等の家系をかすめ奪う事

を、許した。

この事は、クセルクセス王の全ての州において、

第12の月、

すなわちアダルの月の13日に、

一日のうちに行うという事であった。

この文書の写しが、全ての民族に

各州に法令として発布・公示された。

それは、ユダヤ人が、

自分達の敵に復讐するこの日に供える為

で、あった。

御用馬の早馬に乗った急使は、

王の命令によって急き立てられた。

この法令は、スサの城で発布された。

モルデカイは、

青色と白いとの王服を着て、

大きな金の冠をかぶり、

白亜麻布と紫色のマントを纏って、

王の前から出て来た。

すると、スサの都は喜びの声に溢れた。

ユダヤ人にとって、それは光と喜び、

歓喜と栄誉であった。

王の命令と法令が届いた所は、

どの州・その町でもユダヤ人は喜び楽しみ、

祝宴を張って、祝日とした。

この地の諸民族の中で大勢の者が、

自分はユダヤ人である。

と、宣言した。

それは、ユダヤ人への恐れが、

彼らに下ったからである。